志原海岸は、和歌山県の夕陽百選に選ばれた景勝地で、太平洋に沈む夕日を遮るものなく一望できる開けた海岸線が魅力です。 地層は約1800万年〜1500万年前に砂岩と泥岩が交互に堆積してできたもので、長い年月をかけた波の浸食によって、独特の岩肌の景観が形づくられています。
志原海岸に隣接する「志原千畳敷」は、緩やかに傾斜した地層が波の力で削られ、畳を敷き詰めたように広がる波食棚です。 海岸面はほぼ平坦で、岩肌をよく見ると、ゴカイの仲間が泥の中を這い回った跡とされる生痕化石も観察でき、かつてこの場所が静かで浅い海底だったことを物語っています。
志原千畳敷の中でも特に印象的なのが、地元で「鳥毛(とりけ)洞窟」と呼ばれる海食洞です。 地層に入った東西・南北方向の割れ目に沿って波が侵入し、大きいものでは間口の高さ約10m、奥行き約30mにも及ぶ洞窟が形づくられています。 洞窟と洞窟の間には岩の節理(規則的な割れ目模様)もはっきりと見て取れ、自然の造形美を感じられる場所です。
海岸南東側には、熊の横顔に見えることから「ベアーズロック」と呼ばれる奇岩があります。道の駅からのアクセスもよく、波の穏やかな日は気軽に立ち寄れる 人気の行楽・撮影ポイントとなっています。
海岸沿いの段丘は、主に南海地震による地盤の隆起によって形成されたと考えられており、 現在の高さは約15〜16m。長い年月の地殻変動が、今の景観の土台になっています。
夕陽百選に選ばれるだけあり、日没前後の時間帯が最も美しい。太平洋を赤く染めながら沈む夕日は時間を忘れて見入ってしまうほど。
海岸南東側の名物の奇岩。光の当たり方によって熊の表情が変わって見えるのも面白いポイント。道の駅から見えているほど距離が近い。
道の駅志原海岸から徒歩10分ほど。波が削った広大な岩盤は、満潮・干潮で表情が変わる。
千畳敷内にある海食洞。間口10m・奥行き30mにもなる洞窟と、岩の節理が織りなす造形が見もの。
海に生きてきた人々の記憶を運ぶ夕凪に、しばし耳をすませみてください。この海もまた、幾多の船を見送ってきたのかもしれません。
千五百万年の時を経た岩肌に立ち、太平洋に沈む夕陽を眺める。
日置川の、もう一つの自然の表情にふれてみてください。